2007年6月13日水曜日

Monochromeは、冗舌だ

このblogでモノクロをUPするのは2枚目です。前回(5月20日の「母の遺影」)はカラーポジを現像段階でモノクロ変換したモノでした。今回のは初めてKodakのBW400CNという純粋のモノクロネガフィルムです。
BW400CNは一般的なカラーネガフィルムと同じC-41という工程で処理できますので、街角のDPE店ですぐに現像してもらえるという利点があります。ダークレスキットを使えば、自宅でもすぐに現像できます。画質的に通常のモノクロフィルムに劣る、ということは全くありません。プロも多用しています。
blogをご覧いただいてお分かりの通り、私の撮影対象は多岐にわたります。カラー、モノクロ、はたまた銀塩、デジタルの差にもこだわりません。自分の撮影意図が最大限に生かせる手段を選んでいます。
最近、モノクロの表現が単なるノスタルジーではなく、純粋に写真表現として、カラーに勝る点があまりにも多いことに改めて気づきました。今はスキャナという便利な道具がありますから、ネット上でも画質の高いモノクロ画像をご紹介できます。

私のモノクロスキャンの手法のタネ明かしをします。
スキャナには「白黒ネガ」というモードがあります。でも、私は使いません。あえて「カラーネガ」モードを選びます。RGBも各16bit=48bit、解像度6400dpiでスキャンし、非圧縮のTIFFで保存します。
モノクロなのになぜRGB分解する必要があるの? とよく聞かれます。モノクロは真っ白からグレーを経て真っ黒までの階調で記録されているのですが、RGB分解することで理論上は存在しないはずのカラー要素がわずかながら出てくるのです。ある意味、偽色といえるのかもしれませんし、手法的には邪道かもしれません。

新聞社では、カラー面で使う写真の元原稿がモノクロしかなかった時や、故人の写真がカラーだと派手派手しく見えるのを避けるため、たいていモノクロ→カラー分解します。印刷の世界ですから「光の3原色」RGBではなく、「色の3原色」CMYですが、同じことです。その結果、モノクロで読み取った画像より、無補正でも温調に仕上がります。これが狙いなのです。

高解像度でスキャン、非圧縮データで保存しておけば、のちのち冷たい色調を望んだとしても、画像ソフトでいくらでも修整できます。その逆は至難の技です。ただ、データ量が1枚当たり280MB程度の膨大なモノになりますので、PCの環境によってはお勧めできません。ネットに載せるためにはJpegなどの圧縮ファイルに現像せざるを得ませんし、サーバーの指定サイズでUPするためにリサイズしなければなりません。いずれにしても画像処理ソフトは必要になってきます。カラーマネジメントの作業が省かれる分だけ作業はラクですが、重量級ファイルの現像にはデジタル原稿よりはるかに時間がかかり、PCを酷使します。

写真は07年5月5日、東京・新宿副都心で、LEICA R9+19mm。
EPSON GT-X900
SILKYPIX Developer Studio 3.0