2007年9月1日土曜日

感じたまんまNYC 1 ~入国審査書類の憂鬱

7月17~25日、14年ぶりにNYCを歩いてきました。

前回(93年8月)は大阪(伊丹)空港からジョン・エフ・ケネディ空港(JFK)への直行便。関西空港(関空=KIX)が94年9月に開港すると同時に伊丹発着の国際線はすべて、KIXに座を譲りました。


そのKIXの北米航路もミネアポリス(00年夏まで)、シアトル、カナダ・トロント(以上01年夏まで)、シカゴ、ダラス、ロサンゼルス(以上昨夏まで)の順に廃止。現在はデトロイト(DTW)、サンフランシスコ、カナダ・バンクーバーの3空港だけを週7便で結ぶというお寒い状況です。

KIXからNYCへ太平洋航路で行くには上記の3空港経由で乗り継ぐしかありません(ホノルル経由を除く)。
私はスカイチームの会員です。DTW経由JFK行きのノースウエスト航空(NWA、またはこちら)という経路に事実上限られてしまいます。NWAはノース「ワースト(最悪)」エアラインという、ありがたくない異名を持つほど発着時刻に乱れが多く、評判の良くない航空会社ですが、、、

それでもNWAを使うのは、100円の買い物で1マイル、飛行機に乗れば乗っただけのマイル(ビジネスクラスなら2倍)が貯まるスカイチームのクレジットカードを日常的に使っているから。それだけの理由です。1年に1度は無料で海外
旅行を楽しめます。

今回もマイレージ特典旅行として航空運賃は無料でした。DTWでの乗り継ぎ時間を含めて14時間。文字通り、エコノミークラス症候群になりかかりました。

7月17日午後1時。NW70便(B747-400=愛称「ダッシュ400<よんひゃく>」)はほぼ定刻通りにKIXを離陸。これより後の時刻はすべて東部夏時間(EDT)で表記します。日本時間-13時間です。


写真は五大湖上空をDTWに向かうNW70便。主翼先端の赤いウイングレットは「ダッシュ400」の特徴の一つ。あと1時間で着陸です=7月17日午前10時28分、RICOH Caplio GX100。

7月17日午前11時23分。定刻より45分早くDTW着(出発より時間がさかのぼるのは日付変更線をまたぐので当然とはいえ、いつも違和感を感じます)。到着が早まったのは、NWAの「努力」ではなく、単にジェットストリームに乗って巡航速度が稼げただけでしょう。

メーンランド(アメリカ本土)は95年にジャマイカに行った時、ロサンゼルスとマイアミに立ち寄って以来。ハワイやグアム、サイパンへはその前後に8回ほど行きましたが、メーンランドは私にとって「ホンモノの」アメリカです。

入国審査は最初のアメリカ国内空港であるDTWで受けることになります。私はこの審査が苦手です。「I-94W」という出入国カードを手にする度に、あまりのバカバカしい内容に疑問を通り越して笑ってしまうのです。
以下、その最たる質問の一部を原文のまま書き出してみます。

・伝染病にかかっていますか;精神的、身体的に障害がありますか;麻薬常習者ですか?
・規制薬物の不正取引をしたことがありますか;犯罪活動あるいは不道徳な性行為を行う為に米国へ入国しようとしていますか?


バリアフリーをいち早く取りれたアメリカが身体障害者を排除するはずもないと思いつつ、「はい」にチェックマークを入れると、一体どういう仕打ちが待ち構えているのでしょうか?
さらにあきれるのが税関申告書

・農場/大牧場/牧草地にいた
・私(私達)は家畜のそばにいた(触ったり扱ったりした)


これらの項目で仮にも入国を拒否されようものなら、農家や酪農家、養鶏家の皆さんはアメリカ旅行に支障を来たしてしまいます。


最後にはご丁寧にも

ありがとうございました。米国にようこそいらっしゃいました


と斜体字で強調して締めくくっているところが厚かましい(怒!)

これらの質問事項をいちいち真に受ける旅行者も少ないでしょう。が、「自由の国」アメリカは自己申告とサインを重んじるお国柄。ウソを申告すれば、サインを盾に徹底的に絞られるのでしょうね(^^;

それはともかく、、、撮影用のフィルムとデジタルカメラ用のSDカードをたくさん持参していた私にとって、アメリカのセキュリティチェックは気の重いものでした。特に未現像のフィルムをX線にさらすことは絶対に願い下げです。

貨物室に入れてしまう受託手荷物は大変強いX線をかけます。機内持ち込み手荷物も、受託手荷物ほど強力ではないとはいいますが、X線を通すことに変わりはありません。「SDカードは大丈夫」と言う人もいますが、念には念を入れたかったのです。

ハワイ・ホノルル空港で07年2月に起きた実話――。
アメリカの人気ドラマ「LOST」の撮影済みフィルムが受託手荷物用のX線検査機に間違って回され、すべての映像が消失。撮り直しに3600万円かかった、という悪夢のような出来事でした。

DTWで今回見かけた受託手荷物用検査機は「InVision CTX-5500DS」。「InVision」にはさまざまな仕様があります簡単に言えば爆発物検知が得意のCTスキャナというところでしょうか。
通された未現像フィルムは全滅というのが定説です。同種の検査機は全米の50以上の主要空港に配備されています。特に9.11同時多発テロ以降はさらに高精度で強力な機材を拡大導入しつつあります。

青い目のアメリカ運輸保安局(TSA、英語のサイトはこちら)の審査官に、検査機を通さないオープンチェックを願い出ました。KIXでも出国時に同じリクエストをしましたが、そこは良くも悪しくも「日本」。係員は慣れない手付きで一本一本、「アナログ(目視)」でチェックしてくれました。しかし、DTWでは少し様子が違いました。そのお話は次回に詳しく、、、


長蛇の列となったDTWでの入国審査を終え、JFKへの乗り継ぎ便の待つゲートへ。ここからJFKへは単なる国内線なので気分的にもラクです=7月17日午後1時10分、RICOH Caplio GX100。

JFKに向かう機内でペプシを頼んでみました=7月17日午後3時6分、RICOH Caplio GX100(広角24mm<35mm判換算>マクロで誇張してあります)。缶の表面には「われわれは大リーグを支援しています」といったメッセージから、提示すれば、地元・デトロイトにあるヘンリー・フォード博物館(公式HPはこちら)の入場料(一般大人$14)を$2割り引いてくれるというクーポンまでびっしり。商魂のたくましさのみならず、自己主張の強いアメリカ人の一面が見て取れます。

日本発の国際線では日本国内で作られた飲食物がメーンですが、アメリカ国内線では当然ながらほとんどがメード・イン・USAです(カナダ製品もなくはないです)。

「またアメリカに来れたんだ」

満席の機内に日本人の姿はほとんど見当たりません。機内アナウンスはもちろんオール英語。アメリカに来たことを実感する瞬間です。

●帰国してひと月余り。懸案の「感じたまんまNYC」の連載にようやく手を付けることが出来ました。取材資料の整理の途中でPCクラッシュに見舞われるアクシデントもありました。これから30日付(予定)まで、残り少なくなったblogのサーバー容量をにらみながらゴールを目指したいと思います。

本業の合間を縫って、走りながら構想を練って書いていますので、ほぼ連日のように書き足したり、書き直したり、説明の必要な用語にハイパーリンクを張って行ったりします。10月に入ったころにほぼ完成かな?とお考え下さい。

内容は予告編でも書かせていただきましたように硬軟なんでもありです。記述は中立・正確をモットーとしていますが、私の主観もあえて織り込んでいますので、その点はご理解下さいませ。表記もドキュメントタッチから丁寧語まで、素材に合った日本語を選びます。

写真データはコンパンクトデジタルカメラ「RICOH Caplio GX100」はJpeg(1001万画素)、デジタルバック付きの一眼デジタルカメラ「LEICA R9+DIGITAL-MODUL-R」はDNG(RAW)で通しました。スキャンはEPSON GT-X900です。現像・レタッチは特にお断りしない限りSILKYPIX Developer Studio 3.0です。Adobe Photoshop CS3 Extendedなども併用します。


最終章では、私的には一番狙いたかったモノクロ銀塩のギャラリーも準備しています。

NYCに行かれたことがない方には意味不明の地名や用語が出てきます。文中やハイパーリンクで補うように努めてはいますが、念のため日本語の地理案内、フリー百科事典ウィキペディア(以上日本語)、市の公式HP(英語)をリンクさせておきましたので、別タブでお開きになり、その都度ご参照下さい。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

わぁ!やっとUpされましたね。楽しみに待っていました。写真もとてもステキです。

※先ほど間違って、メールマークのところにコメントを送ってしまいました。失礼いたしました。。。

Julian さんのコメント...

abekasuさん、コメントありがとうございます(^^

このblogはGoogle Bloggerですが大変使い勝手が悪く、ご迷惑をかけますm(__)m

9月に入って記事の文字色も選べなくなり、写真も勘で配置するしかなくなりました。

この連載が終わるまでは我慢して、次のblogは専門の業者に作成依頼していますのでご期待ください。

疑問点が出ましたら、メールにて問い合わせさせていただくことがあるかもしれません。その節はなにとぞよろしく!