2007年9月19日水曜日

感じたまんまNYC 19 ~肥満大国アメリカ②=ある弁護士の挑戦

アメリカを代表する大手企業のオフィスが立ち並ぶマンハッタンのアベニュー・オブ・ジ・アメリカズ(6th Avenueとも呼ぶ)。ミッドタウンのド真ん中、24階建てビルの16階にピーター・ジェンセン(Perter Torben Jensen)弁護士の事務所がある。アメリカへの永住を望む外国人の世話をする移民専門弁護士だ。スタッフは13人。良心的対応と的確なアドバイスで定評がある。

彼も肥満と闘っている、という。健康維持のためダイエットに挑戦中という彼の話を聞くべく、オフィスを訪ねた。


写真↑はジェンセン弁護士の事務所受付。「自分の写真はご勘弁を」と同弁護士=7月19日午後0時8分、1212 Avenue of the Americas, 16th Floorで、RICOH Caplio GX100。

身長190.5cm、体重は90.7~99.8kgの間を行き来している。「99.8kgを超えると危険」と自分に言い聞かせている。この上限をBMIに当てはめると 27.5にあたる。日本ではやや肥満気味とされるが、筋肉質で身長が高い白人、46歳という年齢を考え合わせると、彼の上限値は理にかなっている。

ダイエットの原則は一にも二にも、摂取カロリーと消費カロリーの収支だ。これに体質(代謝メカニズムの優劣=個人差が大きい)などが複雑に絡み合ってくる。

学生時代は「やせていた」と言う。ところが30代の初めに赴いた中国で104kgを超えてしまった。BMIは28.7。OECD基準の「BMI>30=肥満(Obesity)」はかろうじてクリアしているのものの、「BMI=25~30の過体重(Overweight)」にひっかかる。限りなくレッドゾーンに近いといえるだろう。

酒が嫌いでない。肥満の大きな要因にアルコールを挙げる。ワイン党を自認するが、「中国では周りの人間の酒の飲み方がクレージーだった」と振り返る。

目標体重90.7kgを維持する基礎代謝量は1540。これは寝た状態で生体を維持する最低値。人間は大なり小なり活動する。彼のようなホワイトカラー労働者でも1日2567kcalは必要だ。これを超える分は後述する運動での消費カロリーで差し引いていかないと、確実に肥満への道をたどることになる。

オフィスにはダイエットプランニング会社から取り寄せた、ビールやワイン、カクテルなどの銘柄別カロリー表を備えている=7月19日午前11時41分、RICOH Caplio GX100。アメリカでよく飲まれるビール、バドワイザー(350ml缶)は146kcalなどなど……。カロリー表の裏には自身の手書きのメモがある。

「1日に必要なカロリーは3000。マフィンが300。フルーツヨーグルトが500。ワイン、カクテル、ビール……」 「1日3500kcal摂ると500g近く太ってしまう。摂取カロリーを2500に抑え、運動する。1500に抑えられれば理想的」などなど。

「ゴールは90.7kg」という自らの目標に向けた細かい計算だ。

――飲食物でのカロリーコントロールで大切なことは?

「ニューヨークではダイナー(レストランとファストフードの中間のようなカジュアルな飲食店)によっては3人分くらいの量が出てくる。出てきた分を食べ切るのではなく、残すことも肝心だ」

――アメリカの料理は日本に比べ、原材料・調理方法とも高カロリーのものが多く、少々食事を我慢してもカロリーオーバーになる傾向があります。


「外国からアメリカに来て太る人をよく見る。アルコールはもちろん、甘いクッキーなんて食べちゃいけない。家に余分な食べ物を買い置きするというのもおかしなことだ」

――どんな運動をしていますか?


「ジムでのロードランナーを使ったランニング、腹筋運動、ウエイトリフティングなど。ロードランナーは1.5kmではダメで3kmはやらないと効果がないと思う。独立事務所を持つ前、NYCの500人くらいのスタッフを抱える大きな弁護士事務所で働いていた。忙しくてジムにも行けない。食事も店屋ものばかり。危なかったね」

――食生活と運動。ほかにも大事な要素があるのでは?


「ストレスも肥満に大きく関係していると感じる。食事を節制してジム通いをしても、ストレスまみれでは元も子もない」

――アメリカでは「太っている人は管理職になれない。自分を管理できない人間が部下を管理できるはずがないから」と聞きます。


「NYCがアメリカを映す街ではないことを忘れないでほしい。自分の周りにも太った管理職はいる。でも他人は他人。私は自分のペースに合わせてダイエットしている。自分の内側から感じるものを、いい感じで表現できるよう努めている」

――ダイエットに懸ける信条をお聞かせください。


「理性と努力に尽きる。食生活、運動、ストレス回避。すべての釣り合いがうまく取れることを目標にしている。私は今は健康だが、安心してはいない。常にこれらを念頭に自分を厳しく律している」

Special Thanks to Ms.Yukiko Sato ( Case Manager of JENSEN & JENSEN Attorneys at Law )

Coordinated by Ms. Mari Ueno

☆文中では「ヤード・ポンド法」で表されたり語られたりした数字を、日本で馴染み深い国際単位系(SI)に換算しています。

●アメリカに移住・永住したいと考えている人は「ジェンセン& ジェンセン弁護士事務所」を訪ねてみてください。佐藤順子(ゆきこ)さんという日本人のケースマネジャーもいます。ジェンセン弁護士自身、中国語(北京官話)も堪能です。連絡先は次の通り。

JENSEN & JENSEN Attorneys at Law
1212 Avenue of the Americas (on the East Side of 6th Avenue)
16th Floor
New York, NY 10036
Tel: (212)737-5800
Fax:(212)737-5900
http://www.jensenlaw.com/
メールは ptjensen@jensenlaw.com または ysato@jensenlaw.com まで

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