2007年9月18日火曜日

感じたまんまNYC 18 ~肥満大国アメリカ①=甘い誘惑の屋台

今回、NYCを訪れてつくづく思ったのは、太った人が多いなあ、というごく当たり前の印象だった。

写真↑はアイスクリームの屋台に並ぶ人たち。日本では女性の姿が圧倒的だが、アメリカでは男性もたくさん見かける。おいしいのですが、、、=7月20日午後1時52分、John St. & B'wayで、RICOH Caplio GX100。

体格が日本人と違ってケタ違いに大きいので一概には言えないが、ウエストの細いニューヨーカーを探すのには苦労する。

アメリカ合衆国は人口約3億人のうち、1億2700万人(42.3%)が標準体重を超え、6000万人(20%)が「肥満」、900万人(3%)が「極度の肥満」に悩んでいるという統計もある。単純計算では全人口の65.3%が「肥満」という世界の先進国では、まれな肥満大国だ。

肥満度合いを示すBMI(=ボディ・マス・インデックス、体重<kg>÷身長<m>÷身長<m>で得られる指数)が30超で「肥満」と認定するOECD(経済協力開発機構)提唱の比較的緩い基準に照らしても、約3人に1人がアウト。日本人はその約1/10に過ぎない。

写真→は、おやつに?ローストチキンをほおばるおじさん=7月22日午後4時42分、Strawberry Fields in Central Parkで、RICOH Caplio GX100。

日本をはじめ、先進国での肥満問題が深刻を極めている。日本でも、肥満の中で「死の四重奏」(肥満・高血圧・高脂血・糖尿病)に直結する「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の対策に厚生労働省が重い腰を上げようとしている。

「メタボ=肥満」と理解している人も多い。しかし、メタボリックシンドロームと単純肥満とは根本的に違う。

日本肥満学会の基準ではBMI18.0~24.9が「正常」とされる。例えば、スポーツ選手など筋肉量が格段に多い人はBMIだけでの判定は難しい。ニューヨーク・ヤンキースで活躍する松井秀喜外野手は身長186cm、体重104kg。BMIは30にもなる。彼を「太っている」とは言わない。

これとは別に体脂肪率という数値が近年注目されている。東京慈恵会医科大学が使用している判定基準では、男性で25%、女性で30%が境界線。これは特殊な機能を備えた体重計(市販品もある)などで計測するしかない。

ややこしいのは、以上の数値をクリア、つまり一見スリムな人がメタボリックシンドロームでないとは限らず、逆に太り気味に映る人でもメタボリックシンドロームとは必ずしも診断されないことがある点だ。

メタボリックシンドロームとは「太っている」という見た目ではなく、体内での「代謝異常」が認められるかどうかが確定診断の決め手になる。そのため、痩せぎすな人でも代謝異常があると「隠れメタボ」として、治療の対象になる。痩せているから大丈夫、とは限らないのだ。

皮膚と筋肉の間にある皮下脂肪と、消化器を取り巻く内臓脂肪とは、似て非なるものだ。

内臓脂肪は細胞が血糖を取り込むインスリンの働きを邪魔して糖尿病を招いたり、血栓が起きやすい環境を作る。さらに動脈硬化や血圧を促進する物質も、皮下脂肪とはケタ違いに多く作り出す。これが代謝異常。「死の四重奏」への先導役というわけだ。

「メタボリックシンドローム」という言葉が日本の新聞紙上に本格的な形で登場したのは05年4月。それよりはるか以前の80年代末から、メタボリックシン ドロームという言葉を使う専門家はいた。


高脂血症、高血圧、高血糖による動脈硬化が、心血管障害、脳血管障害、糖尿病などの死に直結することは早くから分かっており、それぞれの分野での臨床研究・分析は進んでいた。それらの病態は複合的に起こるケースが多く、メタボリックシンドロームという概念が急速に市民権を得た。各分野の専門家や行政がメタボリックシンドローム対策を明確に規定したのは比較的最近のことだ。

日本で国を挙げてのメタボリックシンドローム対策が後れを取った要因には、診断基準にバラつきがあったことも挙げられるだろう。


主なものでは99年の世界保健機関(WHO)による基準、01年の米国コレステロール教育計画(NCEP-ATPIII)による基準(05年にAHA/NHLBIにより改訂)、 05年の国際糖尿病連盟(IDF)による基準の三つが混在していたのだ。日本独自のものとしては、05年に学会などが提唱した基準がある。ここまででも四つの基準が乱立する。

基準が違えば、診断や治療を始める時期・手法にも影響を及ぼす。おおまかな違いは、WHOが血糖値を重視しているのに対し、IDFと日本の基準はウエストサイズに注目している点だ。IDFは日本人のウエスト(ヘソ周り)基準を男性は90cm、女性は80cmと主張する。ここでは、日本の基準に沿って考えてみよう。

男性で85cm未満、女性は90cm未満(女性については07年夏現在、下方修正の論議あり)というのが目安になる。これに血中脂質(中性脂肪値が 150mg/dl かHDL<善玉コレステロール>値が40mg/dl未満、またはその両方)、血糖値(空腹時血糖値110mg/dl)、血圧(収縮期 130mmHg以上か拡張期85mmHg、またはその両方)の3項目のうち2項目以上に当てはまれば、メタボリックシンドーム。


ダイエットや薬剤投与治療の対象となる。日本人の40代以上で、日本のメタボリックシンドローム基準に該当する人と、その予備軍を合わせると、5人に1人という推計もある。

厚生労働省の狙いは医療費の削減が第一目的だ。医療費は2025年には現在の年間28兆円から倍増することが予測されている。メタボリックシンドロームが大きくかかわる心臓病と脳卒中が死因となるパーセンテージは全死亡率の3割を占める。

手始めに、08年度からは老人保健法改正で40代以上の健康診断を大幅に見直す。メタボリックシンドロームの基準に達してしまった人を治療するというのではなく、予備軍段階での健康指導に力を入れようというのだ。これで年間2兆円の削減を見込む。先手を打つ、というのが触れ込みだが、結果的に後手に回ったとのそしりは免れまい。


メタボリックシンドロームと大きく関連する肥満。

ダイエットと闘うニューヨーカーの弁護士に話を聞いた。

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